2010年7月27日火曜日

今夜、星を観に行こう

尾道 - しまなみ海道 - 潮音山向上寺 - 大山祇神社 - 今治 - 瀧雲山太山寺

最大高低差79m
走行距離 159.9km

来島海峡大橋を越える頃、ボクの剥き出しの部分をあれほど暑くジリジリと焦がしていった太陽は、まだ焼き足りなかったんだゾ、とでも言いたげに西の空を赤黒く焼き上げていた。
夕焼けが明度を下げていくほどに浮かび上がる幾多の灯台の灯火が、そこに島があることを徐徐に示し始めていく。
既に日も落ち、もはや判別のつかなくなった島並みに、いつ果てるともなく続く橋架。そして眼下には羽を広げるかのように街の明かりが煌いていた。ボクはそれを眺めるうちに妙な浮遊感に囚われ"翼よ あれが今治の灯だ"なんて言葉を思い浮かべる。やがてその灯も、夜空に溶け込んだ山影に覆われ、やがてボクも現実へと螺旋を描きながら下りていった。

今治より南下する海沿いの道。その押し寄せる波頭を見遣ると懐かしいモノが目に映った。
北斗七星、その尻尾の先に輝くはアークトゥルス。ポラリスは?と探す。意識して北斗七星を観たのなど久しぶりだった。それは天文部だったとき以来かもしれなかった。
反対側に広がるは、デネブ、アルタイル、ベガ。そう、夏の大三角。少し離れたところで輝いているのは、金星だろうか?昔の記憶を辿る。
道沿いの街灯は明るく、月齢は上弦の月を廻ったところ。それに薄雲が掛かる夜空とはいえ、三等星くらいまでなら朧気ながらにも確認できた。これなら街の灯りが差し込まなければ、さぞかし素晴らしい星空が観られるのではないだろうか、と、暗がりを求め、瀧雲山太山寺へと向かう事に決めた。

虫の音だけが響く駐車場。そこにある灯りはと云えば、自販機のモノくらい。見上げれば満天の星空が拡がっていた。それは涙が出そうなほどの星空だった。
そう言えば、"今夜、星を観に行こう"なんて誘い文句を囁いたことなど、今まで一度もなかった。元天文部としての取って置きのカードを、今まで出し惜しみしてしまっていた。

あれがデネブ、アルタイル、ベガ。有名な夏の大三角。そこから横にすぅっと逸れて、あの辺りが蛇遣い座。だから、蛇座はあの辺りに並んでいる星になる。彼処の一際明るい星は、スピカ。だから、あの辺りは乙女座。あっちの蟹座は、とある漫画以来、とても虐げられた存在。。

今度、また、星空を探す旅に出なければならない。

------------- 晩酌 -------------
やきとりの酒300ml 山丹正宗¥440、八幡浜産あなごミリン干90g 中村水産¥250

------------- おもいがき -------------
イギス豆腐:いぎす草を煮溶かし生大豆の粉にエビを入れて冷やし固めたもの。今治近辺の郷土料理らしい。
ヤズ:今治辺りではツバスの事をヤズと呼ぶようです。



2010年7月26日月曜日

猪名川町大ツーリング大会@摩耶山ヒルクライムクラブ

距離:79.6km
獲得標高:601m


JR道場まで輪行します。

道の駅いながわにて昼食を摂ります。

アベちゃんが川に飛び込みます。いつも通りのバカっぷりです。

一庫公園にて休憩します。

多田神社にて蕎麦の出前を取ります。
アベちゃんが川で流されます。危うく人死にが出るところです。

武庫川サイクリングロードを下ります。

リンリン芦屋さんに寄って、いつも通りの打ち上げです。なんと呑みもん全品半額という幸運です。

〆はエーちゃんと汽笛亭さんへ。ナガイくんから誕生日祝いに日本酒を、マス姉から塩辛を戴いて午前4時までの深酒です。
誕生日だからといって、何ら変わらないそんなボクのいつも通りの日常でした。

2010年7月25日日曜日

妙法山阿弥陀寺

尾鷲 - 86.4km - 熊野那智大社 - 58.3km - 潮岬

走行距離 146.7km
最大高低差824m

熊野那智大社に向かう途中、膝に鈍い痛みを感じたので少し休むことにした。
熊野古道大門坂に自転車を駐め、そこからは歩いて登る。熊野那智大社、青岸渡寺と参拝した後、もう少し膝を休ませておこうと妙法山阿弥陀寺まで登ることにした。熊野那智大社、青岸渡寺の賑わい、それと阿弥陀寺へと向かう古道の静寂さは対照的だった。その人気のない苔むした石段をゆっくりと踏みしめながら上っていく。道端の丁を刻んだ石碑を数えながら残りの道程を想う。結構登った様な気がしても、まだ1/3程度と分かるとゾッとした。高度を重ねる毎に涼しさを増していく檜を揺する風の囁きだけがせめてもの救いだった。
石段に腰を下ろす。風が抜けていく。たちまち汗が引いていった。しかし、そんな休息の時間も長く取ることは出来やしない。すぐさま追い立てるように警戒蜂がやってくるからだ。それも一度や二度の話ではない。一息つこうとする度にそれはやってきたのだ。さすがは修験の山。ここでは少しの甘えも許されないらしい。ただひたすらに足を進め、精進せねばならなかった。
十幾丁数えただろうか、二筋に道が分かれている。緩い登りの道、1.3km。激しく下る階段、0.9km。当然ながら短い道を選ぶのだが、下るということは帰り道登るということ。その、面倒くさいなぁ、あまり下らんといてや、というボクの思いとは裏腹に下へ下へと向かって続いているのだった。

そしてようやく辿り着いた阿弥陀寺。そんな心の内を見透かされたかのような御詠歌。

"熊野路を ものうき旅と 思うなよ 死出の山路で 思いしらせん"

帰り道。
道先に何やら放物線を描く一筋の煌めきが見えた。それは、先程通り過ぎたときには存在していないものだった。それは、斜面を伝って這う輸水管の一部から漏れ出した飛沫であった。
その場所へと近付くにつれ、ある事実に気づいてしまった。あまりのことにさむいぼがたった。気温が数度下がった気がした。その飛沫が飛び散り、道を濡らし続けているその場所は、行きしにボクがにょうをにょーとした処に他ならなかったからだ。まるで、その汚れを洗い流しているかのようだった。全てを見られていたかのような気がした。
しばし呆然とそれを見詰めていた。これがお前のしたことだ、と見せつけるかのように、ボクが描いた放物線を模してそれはなぞっているかのようだった。時折、シュゴっと音を立て、吹き出しを止める。そして、一呼吸おくと、再び行きよいよく地面を叩き付けるのであった。
申し訳ありませんでした。思わず手を合わせていた。懺悔にも似た想いを胸に、足を踏み出す。再びシュゴっと音を立て、水は止んだ。次の瞬間、パンっと軽い音を立て、それは爆発したのだった。

まぁさすがに爆発したのは嘘だけど、水が噴き出していたのはガチで本当。
でも20分足らずの間にパイプが裂けていたって事だけは本当に本当。
ただそのすぐ傍で尿をしていたってことはマジで本当。
ボクがビビリまっくったってことも本当。
ボクは熊野権現を信仰しております。イヤマジでホント。

------------- 晩酌 -------------
黒牛 純米酒 180ml ¥忘れた
プレミアムモルツ¥225
鯖寿司 ¥580の半額
熊野産生本マグロ 中トロ ¥764の半額 マグロ食べ飽きました。

------------- 回想、もしくは教訓 -------------
時計回り最大の難所、尾鷲大泊間。傾斜こそ緩いのですが、ひたすら800m上り続けなければなりません。景色も単調なのでめげます。R311の方が遠回りですけど良いのかも?
膝を痛めた場合、早期の治療が大切です。フェルビナク、偉大です。これなくして、紀伊半島一周は無理だったと思います。
芝生のサイトでは、ヤブ蚊対策が重要。またしても忘れていました。

------------- 追加装備 -------------
AIR SALONPAS DX、100均銀シート

------------- 朱印 -------------
要望があればUPします。

関西最強の天然温泉

白崎海岸 - 花山温泉 - 淡島神社 - 男神社 - 岸和田

最大高低差153m
走行距離 120.5km

正午を待たずして和歌山市内に到着してしまっていた。このままでは余裕を持ってして、本日中に神戸に着いてしまうペースだった。

"若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺をさして 鶴鳴き渡る"の和歌浦に寄ろうかとも考えたが、今更戻るのも面倒臭く、温泉でノンビリした後に、友ヶ島にでも渡ろうかと思っていた。
もちろん、膝に炎症を抱えている今の状況で熱熱の温泉に浸かるなど御法度なワケだが、花山温泉なら大丈夫。26℃の源泉がある。この源泉風呂にて炎症を鎮め、40℃の露天風呂にて疲れを癒す。これ最強、というか、凄い効能の温泉なのだ。
湯に沈めた指先が見えぬほどの濁り。湯を被るあらゆる処を包み込んだ効能の成分たる結晶。それを見やるだけで、そこに浸かるこの身に薬効が染み渡るような気がしてくる。
実際、湯上がりにサロンパスを吹く頃には、ほとんど痛みも消え失せていた。そして翌日には、膝裏に紙やすりを擦り付けるようなあの鈍い痛みがすっかりなっていたのだった。

------------- 晩酌 -------------
浪花正宗 特等純米酒 300ml ¥361
エビス¥216
むきえびと空豆のつまみ揚げ¥250の半額
鶏の唐揚げ¥220の半額 徐徐にアテがショボくなってまいりました。

------------- 回想、もしくは教訓 -------------
GW中、友ヶ島汽船の自転車の乗船は断られます。

------------- 追加装備 -------------
単三電池

------------- 朱印 -------------
要望があればUPします。

花山温泉(花山開発株式会社)
住所:和歌山県和歌山市鳴神574
電話:073-471-3277
営業時間:8:00~23:00
定休日:毎週木曜(祝日の場合は営業)
公式サイト

自転車博物館 サイクルセンター

岸和田 - 弥生文化博物館 - サイクルセンター - 自宅

最大高低差109m
走行距離 98.2km

摩耶山ヒルクライムクラブ 番外編 "ドキッ! まるっと呑みすぎ 大人だらけの酔酔ひ大会 ポロリがあるかも?"を主催するにあたって、下調べとして、自転車博物館 サイクルセンターへと向かいました。

いやぁ、もう、良かったですね。時間さえあれば5時間は引き籠もれる自信があります。

そしてこれにて、紀伊半島一周も終わりを告げました。

------------- 回想、もしくは教訓 -------------
今回の道中、アルコールでいいからストーブを持っていけば良かった、と思うことが度度ありました。道端で売っている干物を炙るとか、ちょっとした海産物を味噌汁のタネにするとか。
帰った後で気付いたのですが、100均で固形燃料でも買えば良かっただけですね。
ボクはアホですね。

自転車博物館 サイクルセンター
住所:大阪府堺市堺区大仙中町165-6
電話:072-243-3196
休館日:月曜 祝日の翌日 年末年始
開館時間:10:00~16:30
公式サイト

白浜日置川自転車道

潮岬 - 白浜日置川自転車道 - 闘鶏神社 - 白崎海岸

走行距離 148.1km
最大高低差218m

疲れの溜まり始めた両足を足湯に浸しながら、これから先の予定を考えていた。慢性的に渋滞するR42を離れ、白浜日置川自転車道を辿る。潮風を受けるサイクリングロード。ツーリングマップルを眺めながらそんな道を想像していた。

のですが、そんな甘っちょろいもんではありませんでした。膝と尻を休ませるためになるべく緩やかな道を選ぼうと思っていたのに、どんどん山奥へと進んでいきます。眺望もない薄暗い山道。また要らないところで膝と尻を磨り減らしてしまいました。

------------- 晩酌 -------------
紀伊国屋 文左衛門 純米生貯蔵酒 300ml ¥450 濁りの上澄みのような風味。面白いです。
角ハイボール¥198
メンタイチクワミニ ¥360
すさみ産生梅干200g ¥200 夜中に激しい喉の渇きを覚え、水をひたすら飲み続けました。それはもう龍になってしまうほどに。

------------- 回想、もしくは教訓 -------------
酒のアテに梅干しはやめましょう。

------------- 追加装備 -------------
おでかけカトリス

大規模自転車道

おまもり

自宅 - 37.3km - 近鉄布施 - 輪行 - 近鉄松阪 - 86.7km - 尾鷲

走行距離 124.0km

なぜお守りを開けてはいけないか知っていますか?
開けてしまうとそこに秘められている御利益が無くなるから、とか、それを覗いた人が、五日後に気が狂いお亡くなりになりました、とかといったウワサがあったりなかったりしますが、ボクは、中にあるものを一度でも取り出してしまうと、それが在りし日に戻ることが出来なくなってしまうからだと思っております。
雪山登山の度にザックの底に忍ばせておいたお守り。それを開けることなく、日日過ごしてきたからこそ、今も尚、五体満足に暮らしていけるのかも知れません。
そんな、決して開けてはいけない禁断の扉、パンドラの箱を、今回、あえて、開けてみることにしました。
そこから湧き出ものは、開けてみた事への後悔。元に戻らぬ事への苛立ち。思い通りに行かぬもどかしさ。そんなものが次次と溢れ出してきました。しかし、そのそこには、キャリアーがなくともキャンツーが出来るという希望が残されていたのでした。

------------- 晩酌 -------------
熊野川 生貯蔵酒 300ml ¥358
奥伊勢 宮川峡 180ml ¥219
ヱビス<ザ・ホップ>¥249
さんま寿司 ¥498の半額
うつぼ揚煮

------------- 回想、もしくは教訓 -------------
松阪より尾鷲へと向かう時計回りでは、緩やかな上り下りが続く程度で全く問題がありません。
ただ、反時計回りの場合は、紀伊長島、梅ヶ谷間の高低差300m近い坂が難所となるでしょう。
アスファルトの上にテントを開く場合は、要断熱。久しぶりすぎてすっかり忘れていました。

------------- 追加装備 -------------
単三電池、100均カラビナ

0日目

ここ数年、GWとは縁がなかったのですが、久しぶりに休みとなりました。
となると、当然のごとく、いざ九州、なわけですが、あいにくFSは車検が切れたままです。となると、自転車で行くか!なわけですよ。
そうなると最初に思いついたのは、半分くらい廻って放ったらかしのお遍路。これを自転車で廻れるだけ廻ろうと。しかし、調べてみると、淡路から徳島には自転車で渡る術がないと分かり、却下。
次に思いついたのが、ポタリングの聖地、しまなみ海道。前日までは行く気満満だったのですが、イヤ待てよ、自転車ブームらしいこの御時世、人混み嫌いのこのボクが、明らかに自転車乗りで溢れかえっていそうな場所へと赴くのはどうなのだろうか?と、当日になって、急遽変更となりました。
自転車で行けて、尚かつ、人が少なそうな処、となると、高速が整備されていない紀伊半島を思いつきます。
早速、装備の選択を始めました。当日にかよ、と思われるでしょうが、当日にだよ、というのがボクのスタイル。予めバッグだけは、ドイターのSUPERBIKE L(24l?)と決めていました。そこに詰め込むべき、絶対に必要なものを選び出し、代用、妥協できるものを削ぎ落としていきます。
先ずは、テント。かさ高い自立は諦め、ツェルトを選択。それに伴い、細引きとペグが必須となりますが、容量、重量共に1/3くらいになりました。ただ、チタンペグにソリッドステークが見あたりません。もちろんソリッドステークなんて重いもんを持っていく気などありませんが、こう度度、必要なものが必要なときに見つからない収納状況は、考え直さなければなりません。
そして次はシュラフ。当然、コンパクトさを求めるのでモンベルU.L.ダウンハガー#7。シュラフカバーも持っていきますので、寒ければあるだけ着込んでくるまる。山では寝ない。意地でも海まで下りる。これが、今回の旅スタイルの基本となりました。
それから最後まで悩んだストーブ。いつもなら、ガスストーブを持ち歩くわけですが、若干嵩張ります。それなら、アルコールストーブでも、とも思ったのですが、ここは全食外食自炊なし、と割り切った装備に決めました。

バッグ:deuter SUPERBIKE L
テント:mont-bell ライトツェルト、ステンペグx4、プラペグx2、細引き20m、60cmx2、自在x2、シート1mx2m
シュラフ:mont-bell U.L.ダウンハガー#7、COSVIOS シュラフカバー
ライト:PETZL TIKKA PLUS
マップ:ツーリングマップルR 2007関西、COMPACT ATLAS RDX関西
GPS:GARMIN GPSmap 60CSx
デジカメ:Nikon COOLPIX P60
携帯:docomo SH903i
他:OPINEL No.10、LIGHT MY FIRE Spoke、メモ帳、tombow Air Press、着替、タオル、ウェットティッシュ、歯磨セット、爪切、コンタクト用品、目薬、折畳傘、冷却スプレー